Jigokudo

□アリスは罠へと墜ちていく
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今日はあげてんかのコロッケな気分だったのに…と思いながらも生クリームとフルーツのサンドイッチを手に取った


「…美味しそうだね」

「は…?あぁ、これ?」

手の中のサンドイッチに目をやり椎名は訝しげに思いながらもそれを差し出した


ぱしっ


「!」

伸ばされた手は椎名の手首を掴み、力強く引き寄せる

ガチャガチャと行儀よくならんだシュガーポットやら皿が倒れたりずれたりするがそんなこともお構いなしにマーカスは椅子から身を乗り出すと少々強引な体勢でくちづける

「ん…っふ、ぅ…」

巧みなまでに口腔をなぞりねっとりと愛撫じみた動きで舌を絡めとられ、思わず濡れた声が上がってしまう

散々貪った唇が漸く解放されるとふらつく身体をどかりと椅子に戻した


「甘いね、ご馳走さま」

「っ…馬鹿じゃないの?」

あからさまに唇を袖で拭い取るがしつこい程に重ねられた感触は肌の上からなかなか消えてはくれなかった

「ふ…なかなか可愛らしい表情だな」

満足げに笑んだ先には不覚にも頬を染めた椎名の姿があった





ゆっくりと張り巡らせた罠に落ちていけばいい

いつものように仕留めるのも悪くはないけれど


これはこれでまた一興じゃないか…?






END





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