Jigokudo

□温泉に行こう!
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食事とは奥床しく静かに食べるものだと考えている蒼龍と三人はそれこそ相容れないものだ


「こんなにあるんだからよく噛んでゆっくり食べなさい。あぁほらそうやって食べながら喋るな行儀が悪い!品がない!」

がしがしとご飯を掻っ込んでいく彼等を注意しながら蒼龍は油断なく自分の分の料理に伸びてくる箸を容赦なくたたき落としていく
勿論攻防を繰り返しているのは専らてつしとリョーチンで卿と椎名は我関せずと言わんばかりにマイペースに箸を進めている



「サー、そこの醤油とって」

「あぁ…これソイソースかい?ほら、どうぞ」

「どうも。こっちのわさび使う?」

「いや結構」

「わーソーちゃんすっげぇ反射神経っ」

「遊ぶんじゃないっ」


とこんな調子でガキ共に完全に遊ばれている蒼龍であった

ガキどもが漸く腹一杯になり、蒼龍もやっと食事を終えた頃に卿が露天風呂に入りにいくことを提案した


「裸の付き合いをすると親密になれるものだと聞いたものでね」


そうやって楽しげに笑う卿に余計に親しみが湧いてくる
何よりも仲良くしようとしてくる者(しかもてつしの大好きなプロフェッショナルな人種)を悪く思うなどどうして出来ようか


「っしゃあ、そんじゃみんなで露天風呂行こうぜ露天風呂!」

「おーっ」

「ちょっ…せめて食休み……」

蒼龍の願いは虚しく空を切りその他の面々は各々着替えを手に持つとどかどかと部屋を出て行った

「あいつらっ……」

本当はもう少し休んでいたいところだが目を離すと何を仕出かすかわかったものではない
すっかり板について蒲鉾板と化した保護者っぷりに落ち込む間もなく蒼龍も後に続いた
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