Jigokudo
□となりの暁さん
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「ちゅーわけでそろそろ蕎麦食いに行こか」
「あぁ?」
暁の言葉に椎名の眉があからさまに顰められる
今、なんと言った?
「…食べに行く?」
「だって俺メシ作れへんもん」
「ちょっと待て。だったら何の為に俺をこの部屋に連れ込んだんだよ」
「何の為って、それは……裕介とにゃんにゃんするため?」
ブツン
何がにゃんにゃんだこのやろう。こんな誘拐とセクハラ紛いなことをされたのを、そんな一ミクロンの価値もないかわいこぶりっこでチャラになるとでも?
椎名はポケットから式鬼の束を取り出し、迷いなく暁に向かって繰り出した
「ふごっ!」
顔面にクリーンヒットしたそれを見届けることなく横を擦り抜けて放りっぱなしになった荷物を手に取ると椎名はさっさと部屋を出た
そして椎名の後を数分遅れて素早く復活した暁が部屋から出てきて、当然のように横に並んで歩き出す
「ほな行こか」
「俺学校だし。ついてくんな」
「えーやん、そんなんサボってまえ。それよかおにーさんとデートしよな、な?」
「な?じゃねぇよ」
それはある日突然やってきて、垣根も壁も乗り越えて
無遠慮に入り込んで引っ掻き回す自称おとなりのお兄さん
鉄壁にも勝る絶対不可侵領域に踏み込めるか否かは………誰も知らない
END?
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