Jigokudo
□Don't touch my dear!
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「「今年は別の意味で騒がしい誕生日になったかな」」
プレゼントをとりにてつしの家へと向かう道を歩きながら椎名がぽつりと零した
「ははっそうだな」
その隣を歩きながらてつしも同調して笑った
地獄堂で蒼龍を待つというリョーチンを残して椎名はてつしと二人で少し日の暮れかけた道を歩く
手は一応心配だからとてつしに握られたままで
ふと落とした視線の先に伸びる影の手が繋がってひとつになっているのが何だか照れ臭い
「…てっちゃん」
「ん?」
「ありがとう」
「?まだプレゼント渡してねぇぞ」
プレゼントならとっくに貰ってる、そう言いかけてその台詞があまりにも気障だからと椎名はぐっと飲み込んでなんでもないと笑った
「何だよ椎名、気になるだろ」
「いいや……たださ、これからもこうして祝えたらいいなと思ってね」
「当たり前だろ」
ぐっと強く手を繋ぎ返すとてつしがぱぁっと満面の笑みを浮かべた
「行こうぜ、椎名!」
「うんっ」
夕日に浮かんだそれが赤く染まり、頬の色だけに表れ言葉にしなかった思いを密に、静かに塗り潰していった…
HAPPY BIRTHDAY!椎名!!
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