King gainer

□男って奴は!
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「よい天気だな、少年」

「………そうですねー…」

差し込む陽が瞼に鬱陶しい日曜の朝
それよりも更に更に眩しい笑顔を浮かべて、未だ半睡眠状態のゲイナーを半ば無理やり揺さぶり起こした

ゲイナーはというと次の日が休日ということもあって前日夜遅くまでテレビゲームに興じていた為とてつもなく眠い
せめて今日の昼まではゆっくりと寝かせて欲しい。ただその一心で、とても寝ているとは思えないほどの力で剥がされそうな布団をギリギリのところで止どめている

しかし力に関しては明らかに彼の方が部が悪かった
ゲインがふん、ともう一息力を込めるとふわふわの羽毛布団は鮮やかな弧を描いて床へと落ちていった

「もぅ…なんなんですかゲインさん…僕まだねむ…ぃ…」

むにゃむにゃと覚束無い口調で抗議するゲイナーをさらりと綺麗に無視してゲインは彼の脇の下に手を滑り込ませてぐいと起き上がらせた

「こんなによい天気はデート日和だと思わないか?ん?」

何を馬鹿な事を言ってるんだ?といまいちよく理解出来ていない頭で思いながらゲイナーはふぁぁ…と大きな欠伸を一つした

「そうですねー…じゃあ行ってらっしゃい」

それだけ返してもう一度寝入ろうとするゲイナーにゲインは待ったをかけながら言った

「俺とデートしないか」

「………はぁ?」

朝日を背にきらきら輝く笑顔と寝癖なんだか無造作ヘアーを気取っているのか分からない深緑が何だか腹立たしかった






あれから渋々身支度を済ませ、不機嫌最高潮なゲイナーを連れたままゲインは上機嫌に外に出た

車を繁華街まで走らせて近くのコインパーキングにとめるとゲイナーの手を掴んで歩き始めた

「ちょ…ちょっとやめてくださいよ!こんな人前でっ」

「ふ…照れる事はないぞ少年」

「変な目で見られたらどうするんですか?!」

見ず知らずの相手に…その…ごにょごにょな間柄だと疑われでもしたらどうするのだと目で訴えるが隣りの男はそんなのどこ吹く風だ
全く…常識がないにも程がある

「少しは周りの目ってものを気にしてください」

「周りの目…ねぇ」

ぷいと不機嫌露わにそっぽを向いたゲイナーの横顔を楽しげに眺めながらゲインは意味ありげに呟いた





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