King gainer
□妬いてなんかない!
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「あ……」
補給の為に寄るドームポリスとかでしょっちゅう見掛ける光景
知らない女の人を連れたゲインの姿
ナンパかはたまた情報収集か
…別にどっちでもいいけれど
だってゲインが何処で誰と何してようとそんなの関係ないし興味ないし
僕の迷惑になるって訳でもないし?好きにすればいいと思う
……なんて、何ずらずらと言い訳じみたことを考えているんだと自嘲しながらゲイナーは小さく溜め息をついた
その日の夜、玄関の方でガタガタバタン!と何か大きな物音がしたかと思えばいきなりノックもせずに寝室の扉が開け放たれた
「ただいまぁ〜♪」
上機嫌かへべれけの泥酔状態かいまいちわからない様子で足どりも覚束ないゲインがへらへらと笑いながら今ゲイナーが眠りかけているベッドに乗り上げてきた
ちなみに今ゲイナーはゲインの家に宿を借りているのでノックがなかろうが酔っ払って帰ってこようが何も文句は言えないのだが……ただ自分の安眠を妨げるのだけは勘弁してもらいたい
折角いい感じに意識が落ちかけていたのに台なしだ
ただでさえ神経質な自分は他人の家で寝に入るのがなかなかうまくいかないというのに
「…るさいなぁ…」
これが大人のすることかと思うと溜め息しか出てこない
ごしごしと目を擦りながらゲイナーは騒音から逃げるように寝返りを打った
そうして身体を俯せたその時だった
ずしりとした質量が何の前触れもなく布団の上に乗り上がってきたのだ
何が、なんて考えるまでもない
「ちょ……ゲインさん重…い…」
息が酒臭くて思わず吐き気が込み上げる
ゲインをカッコイイだの素敵だの慕ってる連中はこんな姿見てもまだ同じことが言えるのだろうか?
少なくともゲイナーの目には彼のそういっただらし無くて格好悪い面ばかりが映って見えた
それはともかくとして後ろから抱きしめられているようにもみえるこの状況はどうにもいただけない
身体を攀って何とか抜けだそうにもびくともしない
「ちょっと……」
「ゲイナー」
ふ…と耳元に囁くように流し込まれる声
ざわりと全身に響くそれに肩が揺れる
「ゲイ…ン…?」
「したい。しようか」