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□嫌い…嘘、好き
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「謙也のバカ!大っ嫌い!!」



そう言って、私は教室を飛び出した。



「うう…謙也の…ばかぁ…」



私は1人、屋上で泣いていた。
何故こうなったのかは、話せば長くなる。


私は謙也が好きだ。
もちろん、友達としてだけではなく、男としてだ。
だから私は、この想いを伝えようと必死に頑張っている。
たくさんアプローチもした。
なのに、謙也は全然気付いてくれない。


今日も私はそれっぽいことをした。
わざとらしく顔を近付けてみたり、さりげなく手を握ってみたり。
それでも謙也は気付いてくれなかった。
それで、とうとう私は教室を飛び出してきてしまったのだ。
そして、現在にいたる。


大嫌いなんて言っちゃったけど、本当は好きなのに。
大好きなのに。
どうやって伝えればいいんだろう。


その時、階段へと続く扉が、音を立てて開いた。



「悠!やっぱここにおったか…!!」


「謙…也…?何で…」


「いつも元気なお前が突然教室を飛び出していったら、そら心配にもなるやろ!」


「謙也…」



心配してくれたんだ。
やばい、嬉しい。


私は謙也に抱きついた。



「な…なん…!」


「謙也なんか嫌い!…嘘、好き。…大好き!!」


嫌いなんて嘘。絶対、嘘。
本当は、世界中のだれよりも好き。
大好きなんだから!




嫌い…嘘、好き

(嫌いの裏の意味を)
(君に教えてあげる)


End.


→後書き


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