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□終わらない愛を唄おう
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私はみんなから『歌姫』と呼ばれている。
親友から付けられたこのあだ名は、いつしか学校中に広まっていた。
嬉しいような、嬉しくないような…複雑だ。
『歌姫』と名付けられた私は、クラスの皆の前で度々歌っている。
友達曰く、
「悠の歌聴くと、癒されるんだよねー」
―らしい。
少し恥ずかしいけど、私の歌で皆が元気になってくれるのは嬉しい。
そんな私には、1人の想い人がいる。
その人の為に、大好きな歌を歌いたい。
密かにそんな願いを抱いている。
いつか叶うかなぁ…?
ある日、私は白石くんに呼び出された。
「あんなぁ、朝比奈さんに言いたいことがあるんや」
「何…?」
「俺、朝比奈さんが好きなんや。せやから、これからは俺の為に歌ってくれへん?」
「え…!」
白石くんが真剣な眼で私を見ている。
嬉しい、嬉しい、嬉しい!
まさか願いが叶うなんて!!
「…私も。私も白石くんが好き!白石くんの為に歌いたい!!」
幸せってこういうのを言うのかな。
だとしたら、今はすごく幸せ。
終わらない愛を唄おう
(君の為に、)
(永遠に終わらない愛を唄うよ)
End.
→後書き