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□さよなら
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こんな日が来るなんて思わなかった。
私の顔を見ずに「好きです」と言ってくれた君が、まっすぐ私を見て「さよなら」を告げるなんて―。
「別れてほしいんや」
私と謙也、2人きりの教室で突然告げられた言葉。
私はその言葉の意味を計りかねた。
「別れてほしいって…」
「他に…好きな奴が出来た」
私は自分の耳を疑った。
まさか…そんな―。
「せやから…別れてほしい」
「…わか…った」
「…さよなら」
謙也は私をまっすぐ見て、そう言った。
こんな、こんな日が来るなんて。
信じられない、信じたくない。
全部、夢だったらいいのに―。
さよなら
(さよならが)
(こんなに悲しい言葉だったなんて)
End.
→後書き