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□約束
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ピピピピ…ピピピピ…バンッ!



「やばっ!遅刻や!!」



今日は朝比奈との初デート。
朝比奈のことは昔からずっと好きだった。
勇気を出して告白して、やっと付き合えたのに。
ぜっっっったいにフラれたくない!!


俺は急いで支度をし、家を飛び出した。



「朝比奈…帰っとらんとええけど…」



そう願いながら全速力で待ち合わせの場所へと向かう。
こういうとき、足が速いと便利やなぁ。
まぁ、遅刻に変わりはないんやけど。



「っ、ハァ…!朝比奈!!」



朝比奈は心配そうな顔をして、俺を待っていてくれた。
そんな顔も可愛えなぁ…。
…って、そんなこと言うてる場合やなくて。



「すまん!遅れてもうて…」



ああ、きっとフラれるんやろな…。
せっかく朝比奈と付き合えたのに。
こんなときに寝坊するなんて、俺の馬鹿!


そんな俺に朝比奈が言った。



「私が遅刻するよ。次のデートはね」



予想外の言葉だった。



「次…も、来てくれるん…?」


「もちろん!」


「朝比奈大好きや!」



俺は朝比奈に抱きついた。
慌てる朝比奈も愛おしく思えて。
何があっても、絶対こいつを離さない。
そう決めた。




約束

(お前を一生離さない)
(それが、)
(俺自身との約束)


End.


→後書き


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