Dream of death

□伍.
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ズ…ズズズ…。

天蓋の上…

建物のかげとなっている部分から漆黒の青年が現れる…。

『! ウルキオラ…シファーさん?』

ふと、顔をあげるとあの蒼目の破面が…


「……。」

『月は、お好きですか?』

鐘がそう問うと…ウルキオラは少し驚いた様子で彼をみる。

「嫌いではない…が好きでもない」

無表情で口にする

『そうですか(苦笑)』

「お前は何故ここに来た?」

『下には俺の居場所がなくて…』

「? …どういうことだ」
『俺は事実、闇の方が動きやすいんです。したは日が眩しくて』

「フン…」

『ウルキオラさんは何故?』

「別に…特に理由などない…」

『そうですか…』

ウルキオラは目を伏せまた月に目をやる

『隣、失礼します』

鐘はそういってウルキオラの隣に並んだ。

『静かですね…』

「……。」

『消えちゃいそうです』
鐘は届かないのを知っていながなも月に手を伸ばした。

「……。」

『ウルキオラさんは人間が嫌いですか?』

唐突に問われる。

「それを聞いて何になる」
『破面の皆さんは元々人の魂を食してらっしゃったと聞いたもので…興味本位です』

「知ったことか…」

ウルキオラは別段興味無さそうに答える

『俺はどちらですかね』
少々不安げに呟く

『俺は此処にいてもいい存在なのでしょうか?』
「……。」

『死神という意識がなければ、破面という意識もない…』

「……。」

『どちらでもない…か…』

「…藍染様はお前を我らの同胞と言った…」

『!』

「俺はお前を認めてはいないが藍染様がそう仰った以上…それに従わない訳にはいかない」

『…(笑) グリムジョーさんにも似たようなことを言われました。
藍染様に忠実なんですねウルキオラさんは』

「あの人がいなければ我々は生まれない…神にも等しい存在だ…」

『そうですか(笑)』

鐘がそう言うとウルキオラは彼に背を向ける。

「くだらない戯言は此処までだ…」

『また、お話しましょう?ウルキオラさん』

「さぁな…」
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