Dream of death

□伍.
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一人になった鐘は月を眺める…

『月にはいろいろな記憶が…あったはずなのですが…』

ふと目をつぶり記憶をさぐる…

孤独を感じた月

不安を感じた月

幸せを感じた月

喜びを感じた月

幸福を感じた月

それぞれ途切れ途切れでしか思い出せない。

『…っ…。』

何故か記憶が曖昧な自分に無性に腹がたった…。
『……。』

鐘は静かに涙を流す。

『俺は……。』

その時だった。

「…鐘…。」

月の光が消え自分に影がかかる…。

「藍染…さん?」

目の前にはこの虚圏を支配する藍染が立っていた
「どうかしたのかい?」

鐘は戸惑いを感じながらも口を開く…。

『少し…思い出し泣き?というところですかね』
「そうか」


……。


二人に沈黙が訪れる



『藍染さん…俺はいつからここにいるのですか?』

突然そのようなことを聞かれた。

「どうしてそんなことを?」

『最近分からなくなっているのです。気づいたら俺はここにいて藍染さんの部下となっていました…』

「……。」

『ですが…その中に空白の時間があるのですこれがなんなのか思い出せなくて…』

再びの沈黙…。

『藍染s「いいんだよ思い出さなくて…」

『?』

「君には必要ないんだ…あってはならないんだ」
『……。』

藍染は鐘の頭にそっと手を乗せ、優しくなでる。
「君に必要ないものは私が全て消し去ってあげよう」

とても穏やかな瞳で藍染は鐘を見つめる。

『……。』

「君の今の主は私だろう?」

突然表情がが変わり霊圧で抑えられる。

『!! …っ…』

額からは汗がつたい目を背ける事ができない。

「…? 鐘?」

『は… ぃ』

「君ならわかってくれるね?」

『も、ちろ…んで… ござ、い ます。』

「ありがとう」

そういって顔を引き寄せられ口付けされた。

『ん、ふ…』

「やはり君は−−−」

最後の言葉は聴きとれなかったがたしかになにかいっていた。

「鐘…」

『はい、っ…』

彼がそう言ったとき鎖骨のあたりにかすかな痛みをかんじる
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