それでも息を、していたい。
□それでも嫌いだった。
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リドウはビズリーと向かいあっていた。
リドウの目の前にあるのは赤地に黒いラインのスーツの様な服。
お洒落ではあるがだいぶハデだ。
『…社長、わざわざ呼び出してなんのようですか。』
「いや、君もそろそろお洒落の一つぐらいどうかと思ってね。」
『結構です。』
バッサリと切り捨てるリドウにまるでそれがわかっていたかのようにビズリーはフッと笑い、口を開く。
「君の返事は聞いていない。それは私が君に与えたものだ。」
『そうですか、なら後生大事にとっておくごとにします。』
「着ろ、社長命令だ。」
その言葉を聞き、リドウは唇に笑みを浮かべる。
『私を着せ替え人形にしたいなら最初からそうとおっしゃえばいいのに。』
皮肉をたっぷり含ませてリドウは言った。
「誰がいつそう言った。」
『あら、みなまでいわずともおっしゃっているじゃないですか。私の格好がみすぼらしいのが嫌なのでしょう?それで自分の品格が下がると。』
リドウがそう言うとビズリーはしかめっ面をさらにしかめる。
「…誰に言われた?」
『えっ?、いや、だから社長が言ったんでしょう?』
ポク、ポク、ポク、チーン
「…っ、…ふふ…っ」
と、その場を静寂が包むがその静寂を破ったのは意外にもヴェルの堪えきれなかった笑い声。
「す、すみません。ど、どうぞ気にせずに続けて下さい。」
『…用がこれだけなら私は失礼します。』
リドウがそっけなく言い、服を持って退室する。
ビズリーはしばらく黙ったのちにヴェルに言う。
「…私が、彼女を生かした理由を、彼女が知るまでは“ビズリーさん、ビズリーさん”とそれはそれは慕ってくれていたんだ…」
「社長。世間ではそれを自業自得と言います。」
「…わかってはいるんだがな…」
ヴェルとビズリーがそう話していると場にそぐわないビズリーのGHSが鳴る。
ビズリーはメールを確認する
メールはリドウからだ。
from:リドウ
to:ビズリー
件名 服のこと
本文
ありがとうございます。
「…これが噂のツンデレか」
「社長、落ち着いて下さい。」
それでも嫌いだった。
もちろん今も。
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夢主はビズリーに好戦的な態度をとって退室したのちに
『あっ、やべ、仮にも貰いもんしたのにお礼言ってねーわ。』と思い、わざわざ戻って言うのはめんどいしビズリーだからメールでいっか。という思考回路だったり(笑)
社長、ツンデレでもなんでもないです。
ビズリーも悪い人じゃないんで夢主やユリウスに対して悪いとは思ってる。
なのでちょくちょくこうゆうことを二人にしてるけど
夢主は貰うときから渋るけど、ユリウスは素直に貰った後ばれない様に捨ててる。
夢主はぶっちゃけビズリーから貰ったものでほとんど生活してる(節約して借金返すのに当ててる)
ユリウスはユリウスで夢主がビズリーからいろいろ貰ってるって知らないし夢主は夢主でユリウスがビズリーからいろいろ貰ってるって知らない。
なので夢主がビズリーからいろいろ貰ってそれでだいたい生活してるってユリウスが知ったら卒倒もん。
「なんで捨てないんだ‼」
『そんなもったいないことできるか‼』
「俺がもっといいの買ってやるから‼」
『そんなことに無駄金つかうな‼』
「無駄ってなんだ無駄って‼」
『これで十分だからいらないって‼』
「それが問題だから言っているんだ‼」
『これの何が問題だっていうんだ‼』
「問題しかないだろう‼」
みたいな。
二人共ビズリー嫌い過ぎだろww