それでも息を、していたい。
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『……ルドガーちゃん…』
「姉さん…」
ルドガーちゃん、ガイアス、マクスウェル、ミュゼの2人と2体。
上を抑えられたらまず地下に来るだろう読みは当たった。
地下から外に出れるのは周知の事実だが案外盲点だろう。
そこを狙ってルドガーちゃんが来ることはある程度予想できること、ルドガーちゃんは器用で賢い子だから。
『…お願いだから戻って、中でおとなしくしてて、ここは安全だから…』
「……と、いうことは外にいるエルは…エルは安全じゃないのか?」
『………』
安全なのは少なくともルドガーちゃんにとっては、だ。
正直エルちゃんは危ないと思う、タイムファクター化は絶対だろう。
「姉さん、頼むよ…どいてくれ。」
『…っ、できない。通すわけには、いかないの…』
「……姉さん…」
『お願い、いうことを聞いて、ルドガーちゃん。ルドガーちゃんが審判が終わるまでここに居てくれればルドガーちゃんだけでも、助かるからっ…』
「…それはルドガー以外は死ぬ可能性があるということか?」
マクスウェルが問う。
は?マクスウェル?
『…何しらばっくれてるの…⁉あんた達が決めたんでしょう…?』
「…すまない、その“審判”については先代マクスウェルが決めたものだ。私は詳細を知らない。」
『知らない?知らないって?…そんな言いわけ通るとでもおもってるの…?信じらんない…』
「言いわけをしているわけではない、私は知りたいのだ。」
『それが言いわけにしか聞こえないって言ってるの‼』
マクスウェルの言葉に苛立ち怒鳴る。何を勝手なことを言うのか。
『…っ、はぁ、もういいわ、思えばルドガーちゃんがもう話し合いで止まってくれるわけがないわね、イバルくん』
それた話をもどす。思えば意外と頑固なルドガーちゃんが折れるはずもなかったのだ。
私は今までどうすればいいかわからずおどおどしていたイバルくんに声をかけ、戦闘状態にさせる。
「…たった2人で俺たちを相手取る気か。」
ガイアス王が言う。
確かにルドガーちゃんはきっとビズリーに匹敵するぐらいの骸殻能力者、もはや人間をやめてるリーゼ・マクシアの王、大精霊2体。
だけど舐めてもらっちゃ困る。
これのせいで私は死ぬが使えるものは使わせてもらおう。
時計を構えて骸殻を見にまとう。スリークォーターだ。
そういえば最近はタイムファクターを破壊するだけだったからクォーターにしか変身してなかった。
初めてスリークォーターになったのはいつだったか思い出せない。
ユリウスと組んだ時にはもうできてた気がするから12才の時にはできてたか。
『…意外と私もやるのよ?』
六刀もとい六つの小さな槍をかまえて対峙する。
骸殻の使用は体に結構な負荷がかかるからあまりしないし、長時間できない。
骸殻の才能があっても私の病と医療黒匣でボロボロの体じゃ骸殻に耐えれない。
それを感づかれない様に早めにしないと。