幻蝶の錬金術師

□V
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朝、私はふらふらと外に出ていた。

「強くなるって…何に強くなれば。」

私は昨日大佐に言われた事に悩んでいた。

「はぁ…わっかんないよ…。」

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「傷の男?」

「ああ。素性がわからんから俺達はそう呼んでる」

ヒューズがロイに言った。

「素性どころか武器も目的も不明にして神出鬼没。ただ額に大きな傷があるらしいという事くらいしか情報が無いのです」

続けてアームストロングが話をした。

「今年に入ってから国家錬金術師ばかり中央で5人。国内だと10人はやられてるな」

「ああ。東部にもそのうわさは流れてきている」

国家錬金術師になにか恨みがあるのだろうか…。

「ここだけの話、つい5日前にグランのじじいもやられてるんだ」

「『鉄血の錬金術師』グラン准将がか!?軍隊格闘の達人だぞ!?」

「信じられんかもしれんが、それ位やばい奴がこの街をうろついてるって事だ。

悪い事は言わん。護衛を増やしてしばらく大人しくしててくれ。これは親友としての頼みでもある。ま、ここらで有名どころと言ったらタッカーとあとはお前さんだけだろ?」

ヒューズが言った言葉にロイはキッと目が鋭くなった。

「まずい。」

「あ?」

「ななしとあの兄弟がまだ宿にいるかすぐに確認しろ!!!急げ!!!」

ロイは立ちあがり命令した。
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