幻蝶の錬金術師
□XI
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「…まだ?」
「しらねぇよ…俺に訊くな」
歩いてるのに全然つかない…
その時「見えて来たよ!あれ!」という声に、私達は山に囲まれた一軒の家に目を向けた。
「こんちわっ」
「パニーニャ!お前こんな山奥までこまめによく来るなぁ」
「今日はお客さんを連れて来たよ」
「へえ機械鎧の注文かな…ってうわでっか!!ちっさ!!」
入口に入ったとたん発せられた言葉。
エドは怒りアルはエドを押さえた。
「あらパニーニャ、今日はお友達を連れて来たの?」
「サテラさんこんにちわっ」
「あら?こちらの方々は…」
綺麗なお姉さんがいた。
そしてずいぶん大きなお腹…
「この人がドミニクさん?ぜんぜん無愛想じゃないけど…」
「あははちがうよ!」
「俺はリドル・レコルト。こっちは妻のサテラ。もうすぐ赤ちゃんが生まれるんだ」
「へー!」
「無愛想なのは俺の親父のドミニクだよ」
そう言ってパニーニャに案内されて行った部屋に黙々トンカチを打ってる男がいた。
あの人がドミニクさんか…
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パニーニャ達はエドとななしの銀時計を持っていた。
そして、面白がって開けようとしていた。
「これ、ふたが開かないんだよね。両方とも」
「あの2人しつこく開けるなって言ってたもんね。無理やり開けよう!」
ウィンリーがくぎなど出し、2人の銀時計を開けた。
「んー…あ!あいた!二つとも…ってなにこれ」
『DONT FORGET3.OCT.11』
とエドのところにはそう書いてあった。
そして、ちっさい写真には幸せそうにドーナツをほおばるななしの写真があった。
「…っ!」
ななしの銀時計には、昔の家族写真、そして町のお祭りの写真とエドとの2ショットの写真があり、『iloveyuo』と書かれていた。
ウィンリーはショックを受けた。
「これ、しまっとこう…」
そして二つの銀時計を閉じた。