幻蝶の錬金術師
□V
3ページ/5ページ
「その男は一連の国家錬金術師殺しの容疑者……だったが、この状況から見て確実になったな。タッカー邸の殺害事件も貴様の犯行だな?」
私は、その言葉を聞いて傷の男を睨んだ。
「錬金術師とは元来あるべき姿の物を異形の物へと変成する者…れすなわち万物の創造主たる神への冒瀆。
我は神の代行者として裁きをくだす者なり!」
「それがわからない。
世の中に錬金術師は数多いるが、
国家資格を持つ者ばかり狙うというのはどういう事だ?」
「どうあっても邪魔をすると言うのならば貴様も排除するのみだ」
「…おもしろい!」
大佐はニヤッと笑った…
だか、今日は雨。
「マスタング大佐!」
「お前達は手を出すな!」
すると傷の男はボソッと…
「マスタング…お前!焔の錬金術師…」
「その通り」
雨…大佐、雨降ってるのに戦う気??
私は攻撃された肩を押さえながらエドの方に歩いて行った。
「神の道に背きし者が、裁きを受けに自ら出向いて来るとは…
今日はなんと佳き日よ!」
「私を焔の錬金術師と知ってなお戦いを挑むか!愚か者め!!」
戦う気満々…。
雨降ってんのに。
すると…
「ぬおっ」
リザさんが足を引っ掛けた。
「な!何をするんだね君は!」
「雨の日は無能なんですから下がっててください、大佐!」
「あ、そうか。こう湿ってちゃ火花出せないよな」
可哀そうに大佐。だけど本当の事だ。
「わざわざ出向いて来た上に焔が出せぬとは好都合この上ない。
国家錬金術師!そして我が使命を邪魔する者!
この場の全員滅ぼす!!」
「やってみるがよい」
声とともに、傷の男の背後の壁が音を立てて一部壊れる。
「む…新手か!!」
「ふぅーむ。
我輩の一撃をかわすとはやりおるやりおる」
立ちあがったアームストロング少佐。
「壊して創る!!
これすなわち大宇宙の法則なり!!」
そして、脱いだ。
なんで脱ぐんですか…少佐。
そして、少佐と戦いってる間私はエドに近づこうとしたら。
ドーン!!
私は音をした方を向いたら…
傷の男はサングラスがとれていた。
「「イシュヴァールの民か……!!」」
私達は目を大きく開いた。
それからすぐに傷の男は逃げてしまった。