幻蝶の錬金術師

□V
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私は肩を押さえながらエドのそばに座った。

「エドのばーか。チービ」

私は目をそらしながら言った。

「おまっ!!言うようになったなこのヤロー」

私はエドの方をキッと見た。

「なんで死のうとしたのよっ」

私は涙を流しながらエドに怒鳴った。

エドはびっくりして私を見た。

「な、んで!!なんで死のうとしたの!?」

「ごめん。」

「ごめんじゃないよ!!!バカ!チビ!豆ぇ」

「おまっ!ななし!!!言いすぎじゃねーか!?」

エドは怒った。

「うるさいよ…それぐらい、それぐらい私は怒ってるんだよ!弟と妹を置いてかないでよ!バカぁ!!」

私はぽかぽかとエドの胸を叩いた。

エドはななしをぎゅっと抱きしめた。

「あぁ…ごめんな。怖かったな。ごめんな…」

そしたらアルが…

「この!バカ兄!!!」

「…なんで俺はこんなに馬鹿って言われなきゃなんねーんだよっ!!!!」

エドはくわっとアルに言った。

「何度でも言ってやるさ!
生きて生きて生き延びて、もっと錬金術を研究すれば僕達が元の体に戻る方法も…
ニーナみたいな不幸な娘を救う方法も見つかるかもしれないのに!
それなのに、その可能性を投げ捨てて死ぬ方を選ぶなんて…そんなマネは絶対に許さない!」

アルが言った途端アルの右手がもげてしまった。

「あぁ!右手がもげちゃったじゃないか!!」

私はエドから離れてアルとエドをぎゅっと抱きついた。

「2人とも…無事でよかった…!!」

「ななし…」

「もう、あんな思いしたくない…」

私は力を込めた。

「はは…ボロボロだな、俺達…
カッコ悪いったらありゃしねぇ…」

「ホントだね…」

「でも、生きてる。」

「うん…生きてる」

わたしはヘラっと笑い、パタンと倒れた。

「え?おいっ!!!!ななし!!!」

「ななし!!!!しっかりして!!」

エドとアルがななしの体をゆすった。

そこにリザさんが…

「ただの貧血ね。肩…けがしてるし、力入れ過ぎたから…」

「そうか、こいつ…ほっせぇ体してんのにあんな力出るんだな」

エドはそういい、ななしにコートを掛けた。

「ごめんな、ななし。」

→あとがき
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