幻蝶の錬金術師

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「…ったく、なんなんだあの狂暴女は!」

「ははは!何を今更」

私は浮かない顔をしながら空を見ていた。

エドは昨日のウィンリーっと話をした後からななしの態度が気になっていた。

「………取り敢えずやる事が無いとなると本当に暇だな」

「忙しかったんだからたまにはお休みもいいじゃん…」

「暇なのは性に合わねぇ!」

エドはむっとしながら言っている。

「そうだ!そんなに暇ならななしと母さんの墓参りに行っといでよ」

「え、わたしも?」

私はチラッと2人の方を向いた。

「墓参りか…
でもお前、そんなナリじゃ行けないじゃん」

「少佐に担いで行ってもらうのも悪いから、僕は留守番してるよ。
機械鎧が直ったらすぐ中央に行くんだろ?
だったら暇なうちにさ?」

私はまたアル達の会話を聞きながらぼーっと空を見ていた。

あ、あの雲…
ドーナツみたいでおいしそう…。

「んじゃ、ちょっと行ってくるわ。」

エドが立ちあがった。

そして空急に黒くなり、その正体はエドだった。

「ん、立って。行くぞー。」

エドが手を差し出した。

私はその手を黙って握った。

「エド…」

「んぁ?」

私はにこーっと笑って…

「ドーナツ!ドーナツ食べたいっ!!!」

私は満面な笑みでエドに言った。

「はぁ!?ったく…しゃーねーな帰り買ってくかっ」

「やったー!あたし五個ね♪」

「おまっ!そんなに食うのかよっ」

仲良くきゃーきゃー言いながら去って行った2人を穏やかに見てたアルと少佐。

「本当に兄妹みたいですな。」

「同い年なんですよ、少佐。やっと笑った。」
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