幻蝶の錬金術師
□Z
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国立中央図書館に着いた私達は、すぐに資料に飛びつき、作業をした。
だがなかなか思うようにはならなかった。
それから毎日毎日図書館にいびりたって暗号を解いていた。
そして、1週間が経ってしまった。
「わけわっかんないよー…脳みそがぁ」
私は顎を机にのっけた。
「おーいななし。頭回転させろ〜解けたらドーナツだ」
エドがペンで私のおでこをつんつんしてきた。
「がんばるっ」
「単純な奴(笑)」
エドが隣で笑っていた。
「あの…」
「あっ、シェスカさーん」
「お三方ともここにいらっしゃると聞いたもので…」
ドアから遠慮気味に入ってきたシェスカさん。
「あの料理研究書にはそういう意味があったんですか…。で、解読の方は進みましたか?」
どよーん…
「君は仕事みつかった?」
どよーん…
お互い気まずい雰囲気になってしまった。
「本にのめりこむ事しかできないダメ人間な私が人の役に立てたのが嬉しかったんです。ありがとう」
「ダメ人間じゃないよ。何かに一生懸命になれるって事はそれ自体が才能だと思うし。それにすごい記憶力あるし自身持っていいよ」
「ありがとう…!」
アルは優しい言葉をシェスカにかけた。
私は再び顎を机の上にのっけてにやっとエドの方を向いた。
「んだよ…」
「いーや。君の弟君は優しいなぁって」
「何がいいてーんだよ」
「んー??お兄ちゃんも優しくなってくれてもなーって♪」
私はにこーっと笑った。
パチンッ
「あだっ、デコピンすんな!」
「口動かすなっ!頭動かせ!!ったく…いやーな妹をもったな、俺は…」
エドは笑いながら言ってきた。
そしてお互いぶっと笑いあった。
そして、ヒューズさんが来て、シェスカさんを引きずってどこかへ行ってしまった。