幻蝶の錬金術師

□Z
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「そろそろ閉館の時間ですよ」

「……ふっ…ざけんな!!」

「なっ…何事ですか!?」

エドは怒鳴り、慌てて2人が部屋の中に入ってきた。

ななしは資料をぐしゃっと握りしめて下を向いていた。

「兄弟喧嘩ですか?まずは落ち着いて…」

「ちがいますよ」

「では暗号が解けなくてイラついてでも…?」

「解けたんですよ」

「え?」

「解けちゃったのよっ!!!」

私は唇をかんでいた。

「本当ですか!?良かったじゃないですか!!」

「良い事あるか畜生!!」

「えっ?」

「『悪魔の研究』とはよく言ったもんだ。恨むぜマルコーさんよ…!」

「…いったい何が?」

するとエドは乱暴に床に座って一言言った。

「賢者の石の材料は……、生きた人間だ!!」



    それは苦難に歓喜を
     戦いに勝利を
     暗黒に光を
    死者に生を約束する
    血のごとき紅き石

   人はそれを敬意をもって呼ぶ
     『賢者の石』と…


       
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