幻蝶の錬金術師

□Z
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「この資料が正しければ賢者の石の材料は生きた人間…しかも石を一個精製するのに複数の犠牲が必要って事だ!」

「そんな非人道的な事が軍の機関で行われているなんて」

「許される事じゃないでしょう!」

「あたり前でしょう?そんなの誰でも分かるわ。けど!これはもう事実なのよ…!!!」

私は泣きそうな顔で2人に言った。

2人はぐっと顔を引きずらせ、言葉を失った。

「…ロス少尉、ブロッシュ軍曹…この事は誰にも言わないでおいてくれないか」

「しかし…」

「たのむ…たのむから聞かなかった事にしといてくれよ」

「や…でも」

「お願いだから…っ!!お願い…。何も聞かなかったことにしてよ…」

私はぐちゃぐちゃにいた資料をぽろっと落としてこぶしを力強く握った。
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