幻蝶の錬金術師

□XI
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「めっちゃ雨降ってる…」

外はすごい大雨だ。

「すみませんサテラさん」
「いいのよ、雨が止むまでゆっくりしていって。それにこうやって料理を手伝ってもらって大助かりだわ」

私は料理を作ることになった。

「ななしお前料理できるのか?」

エドが訊いてきた。

「失礼だなー君はーできるよっ」

呑気に話してたとたん・・・

「……、うっ」
「え?サテラさん?」

「どうした!ななし」
「分かんない!!サテラさん!!」

そしてななしはすごい焦った顔でサテラさんを心配し、エドはその顔みてこっちに駆け寄った。

「おい、ななし!!」
「エド、リドルさん呼んできて!!!」

「お、おう!」

エドは走ってリドルさんを呼びに行った。

そしてすぐにリドルさんは来た。

「サテラ!!どうした大丈夫か!?」
「う…うま…」

「馬!?」
「……生まれる」

「えぇ!?予定日までまだ日があるぞ!」
「ええ。夕方からなんとなくお腹が変だったんだけど、予定日までまだだと思って…」

その直後にびっくりしたドミニクさんが来た。

「孫っ!孫が出る孫がっっ!!」
「落ち着いてちょうだい皆…」

「あっ…ああ。とにかく俺がひとっ走り行って医者を連れて来よう」
「親父気をつけてな!」

皆はあわただしくしていた。

そして出て行ったドミニクさんはすごい勢いで戻ってきた。

「…橋が!」

「もしかして落雷で!?」

私はばっと立ちあがった。

そしてエドと私は外に出た。

「これは…どうしよ。」
「どうよもねぇよ!こういう時こそオレの出番だろ!」

「そっか!橋を!」

私達は手を合わせて錬成をした。

「いっけぇーーっ!!!」

地面はどんどん伸びて行った。
しかし崩れてしまう。

「なんだ?どうなった?」
「くっ…そぉっ!!」
「なんで途中でやめちゃうの!?」
「…自重で落ちちゃうんだ」

私は伏せて他の案を考えた。

「どうする…考えろ…考えろ…!!」
「エド…っ」

「くそ!何か方法はないのか!」
「…時間が無ェ。まだ雷も鳴ってて危険だ。いつまでもここにいる訳にゃいかねェな」

そう言ってエドは座り込んでしまった。

「エド…」

「くっそぉぉ」

私は静かに地面に座った。

「風邪ひくから…戻ろう?」

エドに手を差し伸べた。

「…おう」

エドは私の手をとった。

無力じゃないよ。
大丈夫…成長すればいい話だよ。
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