幻蝶の錬金術師

□XU
3ページ/7ページ

私達は部屋に招かれた。
そしてテーブルを囲むように座った。

「賢者の石?」
「師匠なら何か知ってるかなーと…」

「私は石には興味が無いからなぁ。そんな伝説でしか存在しないようなモン研究してどーすんの?」
「いやっ…ほら、知的好奇心と言いましょうか!」

「……賢者の石ねぇ、」

んーっと悩むように顎に手を置いて悩んでいるイズミさん。
すると、シグさんは何かを思い至ったように口を開いた。

「そういえばこの前の旅行で中央に寄った時、石にやたらと詳しい錬金術師に会ったよな」
「ああ、あの男!えーと確か…『ホーエンハイム』って名乗ってたっけ」

「ど、どんな人でした!?」
「割と背が高くて…金髪メガネにあごヒゲだったかな」

「…生きてたんだ、」
「知り合いか?」

「父親です。ボク達の…」

「あの昔出てったっていうお前達の父親?丁度いいじゃないか。まだ中央にいるかも…」
「あんな奴!!」

「…?」
「あんな奴に頼るのだけはごめんだ…!!」

私はびっくりしたようにエドを見た。

エドは拳をテーブルにだんっと当てた。
わたしはびくっとした。

「あ…あの父さん、石について何か言ってました?」
「ん〜〜…長年の望みがもうすぐどうとか…嬉しそうに語ってたっけ」
「そう、ですか…」

アルは遠慮気味で言った。

「とにかく長旅で疲れただろ、飯にするぞ」
「あ…私手伝います。」

私はすっと立ってイズミさんに言った。

「え、いいのか?疲れてるだろう?」
「いいえ…これぐらいは、やらせてください」

イズミさんはわかったと言って一緒に台所に行った。
次へ
前へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ