少女と仲間達。
□ミツバ篇
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私達はミツバお姉ちゃんを送り届けた。
「ミツねぇー!また遊ぼうね!!」
「うん、有難うね琴葉ちゃん」
私達は笑いあった。
「姉上、今日くらい屯所に泊まればいいのに…。」
「ごめんなさい、そーちゃん。
嫁入り先でいろいろやらなきゃいけないことがあるから。それにしても坂田さんも今日いろいろ付き合ってくれてありがとうございます。」
「んー別に気にせず。」
銀さんはぶっきらぼうに言った。
「それでは姉上。俺はこれで。琴葉、帰るぜィ。」
私はうんっと言って総悟の隣に行った。
「あの、そーちゃん。あの…あの人は…?」
ミツバお姉ちゃんの言葉に私と総悟はピタッと止まった。
「あいつには会わせねェぜ。今日も仕事かなんかで挨拶もしねーで出て行きやがった。薄情な奴でィ」
「総悟…」
私はくいっと総悟の袖をひっぱった。
総悟はぴっと振り払って帰ってしまった。
「…総悟」
私はさっさと帰ってく総悟の背中を見ていた。
「ごめんなさいね、あの子。
そーちゃんがああなったのは全部私のせいなんです。幼いころに両親を亡くして甘やかせて育ててしまって…。
そのせいで同い年の友達も1人としていなくって。近藤さんに会わなかったらどうなっていたか…坂田さんは無理矢理つき合わせてしまったんでしょうね?本当は坂田さんは友達なんかじゃないんでしょ?」
私はくるっと振り返って銀さんの隣に行った。
「ハー。お宅の坊ちゃんどうかしてるよ?しっかりしてるわけないじゃん。仕事はサボるわ、Sに目覚めるし。不祥事起こすわ、Sに目覚めるし。まともに育ってるわけないでしょ?こんな大人と付き合ってるんだから、お宅の坊ちゃん。」
「ほんとだよ、銀さんのせい」
「ひでーな琴葉」
私はあははっと笑った。
「フフフ。そーちゃんが懐くのわかるわ。あなたはあの人にそっくりだもの。」
「似てる?誰に?」
「ミツバお姉ちゃん・・・」
私は顔を伏せた。
そして、一台のパトカーが止まった。
「おい!テメェーらここで何してる?ここは…。」
「土方…さんっ」
私はばっとミツバお姉ちゃんを見た。
「十、十四郎さん?コホ!コホコホ!ゴホ!!」
「ミツバお姉ちゃん!!!!」
酷い咳をしだし倒れてしまった。