少女と仲間達。
□ミツバ篇
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「ようやく落ち着いたみたいですよ。でも俺たちが思っているより病状は悪いようで…。それより旦那はどうしてミツバさんと?」
「成り行きで」
銀時は山崎の言葉に答えた。
「それでどうして君アフロなの?」
「成り行きです。」
銀時はくるっと振り返った。
「…そちらの方は
なりゆきってわけじゃなさそうだな」
土方に言った。
「ツラ見ただけで倒れるとはよほどのことがあったんじゃねぇーの?お宅ら。」
「テメェーには関係ねぇ。」
「すんません。ハハ、男と女の事情に首突っ込むとはヤボでさぁ。ほんとすんません、ハハ。」
銀時は土方をちゃかした。
「だめですよ、旦那ぁ。ああ見えて副長ウブなんですからぁー。ククク。」
「関係ねぇって言ってんだろうが!!!何でてめぇがこんなところにいんだぁ!!!」
土方は銀時に斬りかかろうとしたが山崎が全力で止めた。
「皆さん、何のお構いもせずすみません。
ミツバを屋敷まで運んでくださったようでお礼申し上げます。
私貿易商を営んでおります『転海屋』蔵場当馬と申します。ミツバは体が弱くあまり出歩くなといってあるんですが、送り届けていただいてありがとうございます。…その制服真選組の、ミツバのご友人では…。」
「友達なんかじゃねぇですぜ。」
突然現れた沖田。
「土方さんじゃありやせんか?こんなところで会うなんて奇遇だなァ?どのツラ下げて姉上に会いにこれたんでィ。」
「邪魔したな。」
土方は去って行ってしまった。
「…旦那、琴葉は?」
「そこ」
銀時は壁にもたれかかって寝ている琴葉を指指した。
「沖田君が琴葉の手を振り払った時寂しそうな顔してたぞ。あんま心配かけんなや、こいつに」
銀時はぶっきらぼうに言った。
沖田は何も言わず上着を琴葉に被せ頭をなでた。
「大丈夫でさァ。こいつには危害を加えませんぜ。」
「…一番こいつが今の状況つれーと思うけどな」
沖田は無言で琴葉をおぶった。
「今日はありがとうございやした…旦那」
そう言って出て行った。