企画部屋
□運命を。
1ページ/2ページ
※帝光中時代捏造
「―――…青峰くんは、運命を信じますか?」
休日の今日。
珍しく部活も学校もない日。
黒子と青峰は青峰の自室にて寛いでいた。
ベットヘットに背を預け座る青峰の足の間に座る黒子。
後ろから抱き込むように座り、黒子の髪を後ろから弄っていた青峰に問われた唐突な質問。
「…あ?運命?」
読んでいた本を閉じ、体を捻って青峰と向き直る。
「はい。運命、です」
黒子がこういうことを言うのは珍しくはない。
だけどそれは―――…
「つまり、すべての事柄は運命によって定められているのかと言うことです。君がバスケを始めたのも決められていて、僕がバスケを始めたのも決められていて、そして―――…」
「―――…テツと俺が出会ったのも、運命、ってか?」
黒子が、なにかを一生懸命伝えようとする合図。
感情表現が苦手な黒子は時折、唐突に遠回しな表現を使い示してくる。
「…はい、その通りです」
「…運命、なぁ…」
「僕は信じません」
「は?」
「僕が考える運命、とは“偶然”の別名でしょう」
「つまり、なんだ?」
お世辞にも頭が良いとは言えない青峰。
テツの遠回しな言い方にはいつも頭を悩ませるのだ。
「…つまり、僕らが出会ったのは“必然”なんですよ」
そうでしょう?
青峰を見上げる黒子。
「…好きです、青峰くん」
…随分とまぁ、遠回りしたな…。
クツリと喉奥で笑った青峰。
ギュッと青峰の体を抱きしめ、黒子の髪へと口付ける。
「…知ってんよ、んなこたぁな」
「…はい」
「…好きだ、テツ」
「はい…」
ふわりと、黒子が微笑む。
その笑みは、青峰だけが見れる特別なもの。
END
→あとがき