短編

□キセキたち
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WC終了後。
キセキたちは全員和解済み設定。






「…ストバ?」

「はい。この後にみんなで集まってバスケをします」



心なしか嬉しそうな黒子。

赤司は京都、紫原は秋田、と普段はなかなか揃わないキセキのメンバー。


しかし、今はなんの偶然か。


全員が東京にいるのだ。

せっかくだから、と全員で集まりバスケをしようと提案が出た。



ストバと言うことは3on3。



つまりはキセキの世代だけの対決。



これは見たい…!!

聞き耳をたてていたのか、リコが付いていくと騒いだ。





それに対し黒子はあっさりと了承の意をだした。


「…良いのか?」

「?はい。特に困るものじゃありませんから」







早く見たかったのか、いつもより少しだけ早くきりあげられた練習。


 
キセキの世代同士のストバに、みんなの期待が高まる。



「いつもやってたのか?」

木吉が何気なく尋ねる。



「はい。大抵はグッパーで分かれて対決をしています」

「すごいワクワクするわね!!」



瞳を爛々と輝かせながら言うリコに、黒子が首を傾げる。

「…普段となんら変わりはありませんよ?」




…忘れられがちだが黒子自身もキセキの世代なのだ。


たから少し、一般常識から外れている傾向が見られる。

彼にとっては当たり前かもしれないが、自分たちにとったら憧れの存在なのだ。


 
それに気付いた日向はひきつった笑いを見せる。




「…いや、もぅ人間離れしたやつらばっかりじゃん」

ぼそりと言った言葉が水戸部にとどいたのが、コクリと頷いたのが見えた。




期待に胸を弾ませながらぞろぞろと連れだって歩いていたら、フェンスに囲まれ、バスケットリングのあるところに到着した。



そこにはすでに、黒子以外のキセキの世代たちが到着していて、どこか威圧的な雰囲気が醸し出されていた。




思わずその雰囲気に呑まれていると黒子は臆することなくその場に入っていった。





「お待たせしました」

「黒子っち!!久しぶりっスね」

「遅いのだよ」

「なんだぁ、テツ。お守りが随分とたくさんいんじゃねぇか」

「だから峰ちんにもいるよね、お守りが」

「あぁ、さつきのことか」

「さつきは関係ねぇっつの!!」


 
黒子が謝り、黄瀬が喜び、緑間が不機嫌気味に眉を寄せる。

青峰がからかい、紫原は黒子をからかう青峰をからかい、赤司は便乗する。




何気ない光景なのだが、如何せん、やっているのはキセキの世代と呼ばれる天才たち。


誠凛の一年生たちなどはすでに雰囲気に呑まれてしまっている。




「…つーかはやくやろーぜ。今日はどうやって決めんだ?」


青峰が持っていたボールを指で回転させながら言う。


 
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