企画部屋

□“幻の六人目”
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これ以上ないほどに整えられた爪。


指を保護するためのテーピング。

変なやつって思ったけど、それの意味を知った瞬間バスケに対する執念を感じ取った。



キセキの世代No.1シューター・緑間真太郎。
一言で言えば変人。
占い大好きっ子。
初対面で奇妙なもの持ってるやつが目の前にいたら笑っちゃうよね?(笑)





…でもバスケに対する姿勢は本気で尊敬する。



キセキの世代はみんなこんな感じだからキセキの世代って呼ばれてんのかぁ。

とか変なとこで感心してた。



…このちょっと後に違うってわかったけど。



それと同時に全員、ちょっとした変人だったけどね。



…んで、オレが今一番気になってんのはキセキの世代“幻の六人目”。
パスに特化した完全アシスト系の選手、らしい。

 
らしいってのは誰も詳しいことを知らないから。

聞いた話じゃ、帝光でレギュラーだったらしいけどさ。




「―――…というわけでさ」

「どういうわけだ」

「幻の六人目について教えてよ」



知ってるっしょ?
軽く笑って問えば眉間に皺を寄せる真ちゃん。


ちょっとは教えてくれるみたいだ。



「なにが知りたい」

「あー、なんでキセキの世代なの、そいつ」

 
世間一般では五人とされているキセキの世代。
だがそのキセキの世代が注視しているのが一人、いた。




「…なぜ、か…」

「そうそう」

「簡単なことだ」



真ちゃんは手に持っている猫のぬいぐるみを持ち直す。
…うわぁ、似合わね。



「やつもある種の天才だからだ」

「アシストの?んなのやろうと思えば―――…」

「違う」



できんじゃん、の言葉は掻き消された。

「消えるのだよ、黒子は」




名前すらも初めて知ったね。
…え、消える?



「…できれば欲しかったな…」

「―――…は!?」

「黒子がいるだけで勝率が上がる。99%が100%になる。僅か1%の敗北の可能性を消していたのが黒子だ」



 
あいつとオレの相性は悪いがな。


しかし、やつのプレースタイルは尊敬に値するものだ。

何に対しても表情を変えない真ちゃんが、かすかに笑った。
真ちゃんにここまで言わせちゃうやつ。



あってみたいねー。


…このすぐ後に会えるなんて、ね。


END
→あとがき
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