企画部屋

□「どうするんだろうな」
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「―――…おい黒子ー!どこ行ったー!!」


IHの海常VS桐皇の“キセキの世代”同士の対決を見た誠凛のバスケ部員たち。
打倒キセキという新たに決意した思いを胸に、会場をあとにしようとする。


が、ここで問題が発生してしまった。
黒子が、行方不明になってしまったのだ。



「だぁ!!なんであいつはいつもいつもフラフラと!!」



火神が苛立ったような声を上げるがそれも無理はないだろう。

影が異常にうっすい少年には放浪癖があるのだ。
いなくなってしまったらこちらが声を掛けるまでいなくなったことに気付かないのだ。





「―――…火神!!」

「キャプテン、監督!!」

「どうよ、見付かったか?」


 
後ろから掛けられた言葉に答える。
誠凛の監督、相田リコとキャプテン、日向順平がいた。



「まっく!どこ行っちゃったのかしら!」

「電話も出ないし…なんかあったんじゃねぇのか…?」


心配げな日向の声を聞いた火神が、小さく嘆息する。
ふと顔を上げて、目を見開く。
それに気付いたリコが火神の視線の先を追う。



「…黒子くん…」

小柄で、ジャージを来た少年の後ろ姿を視界に捕らえる。
火神が呼ぼうと息を吸う、が、その前にリコが火神の口を手で押さえつけてしまった。

 
「ぐっ…」

「おいおい、なにやってんだ」



リコの突然の奇行に目を白黒させる二人。
火神にいたっては苦しそうだ。

二人を引っ張って物陰へと隠れるリコの行動にさらに困惑する。



「監督…なにして―――…」

「よく見てみなさい」


少ししてこそこそと隠れるように歩き出したリコの後を大人しくついて歩く火神と日向。



「黒子くんと一緒にいる人よ」




そう言われ再び黒子を見る。
良く見れば黒子と一緒に歩いている人がいた。


背中のジャージには“RAKUZAN”の文字。




「―――…あれ、は…?」



火神が首を傾げたのに、日向が固い声で答えた。



そうだ。
これは全国大会なのだからいるに決まっているじゃないか。

 
「“キセキの世代”キャプテン、赤司征十郎…」

「“キセキの世代”…ッ!!」



つい大声を出してしまった火神。
慌てて押さえつけ、隠れる。



黒子が、振り向いた。



 
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