企画部屋

□いらない、そんなやつ
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この年上の先輩たちを、赤司は知っていた。
赤司らが入らなければ一軍に入っていたであろう彼ら。
だが赤司たちの実力は自分たちよりも上なために、悔しいながらも納得していた。

そこに、黒子のレギュラー入り。
ドリブルも並み、シュートも滅多に入らない。

素人に毛が生えた程度にしかバスケが出来ない黒子のレギュラー入り。


納得がいかない。

逃した一軍入りに、理不尽なレギュラー入りに、怒りが籠った。


その怒りが、黒子に向いたのだ。



「最低っスねー、アンタたち」

黄瀬が侮蔑の眼差しを送る。

「僻みか?下らん」

「うっわ、信じらんねー」

緑間と紫原が見下したように言う。
 
「最悪だな、マジで」



青峰が、見る価値すらないと言うように視界から外す。
凍り付いたような、真っ青になって震える彼らを見下し、赤司が言う。



「…テツヤに手を出さなければまだ、バスケは続けられたかもしれなかったが…」




ゆっくりと歩き出した赤司が彼らに近付く。








―――…ダンッ…!!



顔の、すぐ横に、降り下ろされた拳。



「もぅ二度と、その不快な顔を見せるな」



絶対零度の瞳に、悲鳴を上げて逃げていく。
開け放たれたドアを一瞥し、赤司が呟く。





「…まったく、まだ納得してないやつがいたとはな」

 
苛立たしげな赤司の言葉に、頷く。


「“凡人”は所詮その程度と言うことなのだよ」

「つか黒子っちのスゴさがわかんないとかバカっスね」

「黄瀬ちんですらわかってんのに」

「オレですらって何!?」

「言葉通りだろうが」

「それを理解したくねぇ!!」

「だからお前はバカなのだよ」

「ぐっ…!緑間っちに言われると何も言えないっス…!」




いつも通り騒ぎ出した面々とは逆に、赤司は考える。



まったく、気に障るやつらが多すぎる。


「―――…帝光に、いらない」

赤司が呟く。
テツヤの価値がわからないやつは、いらない。





唯一の影を、手放してなるものか…!


「さて、どうしようか」




END
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