企画・リクエスト・記念

□守ってみせるから
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一方グリーンはマサラの実家でレッドが来るのを待っていた。

今日珍しく帰って来たレッドが家に来ると言うからジムを休みにして、心待ちしていたのに時間になっても来ない。

レッドのことだから、また何か厄介事を引っ掛けたに違いない。

ゴールドとかイエローとかブルーとか。

それに突っ込んで行くのがレッドだとわかってはいるのだが。


「‥‥仕方ないな」


グリーンは椅子から立ち上がりドアに向かった。





のんびりとしたマサラの道を歩きながら、レッドを探す。

すると、草むらから幼い泣き声が聞こえた。


「どうした?」


十歳にも満たないだろう少女が声を押し殺して泣いているのを、ニョロボンが慰めるように頭を撫でていた。

グリーンに気付いたニョロボンは何を伝えようとする。


「ニョロ、何で此処に」


レッドはどうしたんだ?

そう聞くと、ニョロは何かを伝えようと再びジェスチャーをしだす。
だがグリーンには伝わらず、首を傾げた。


「まさか‥‥レッドに何かあったのか?」


考えたくなかった可能性を上げるとニョロは頷く。


「ひっく‥‥」


怖がってニョロの後ろから出て来ない少女が声を上げた。


「レッドを知らないか?」


ポロポロと大粒の涙をこぼしながら言葉を紡ごうとするが、音にはならない。

レッドと同じ黒髪を撫でながら涙を拭ってやると、泣きながらようやく口を開いた。


「あのね‥‥っ。お兄ちゃんが黒いふくのひとたちに連れてかれちゃった‥‥」

「っ!!」


黒服‥‥ロケット団か!

因縁があるアイツ等がレッドを誘拐したのか。

暗い思考に溶け込む前に、小さな手がグリーンの手を握った。


「お兄ちゃん大丈夫だよね‥‥?」


心配気な揺れる瞳が見上げている。


「大丈夫だ」


ポンっと頭に手を置く。

出来るだけ優しく笑いかけてみた。


「レッドは俺が助ける」


涙を拭いてコクンと頷く少女を見て立ち上がる。



「グリーンさん?」


金色の髪を帽子で隠したイエローがグリーンと少女を見て驚く。

深い森のような緑の瞳は怒りで満ちていたからだ。


「イエロー」

「はいっ!」


びっくりしながらイエローは答えて、グリーンはモンスターボールを取り出した。


「その子を頼む」


リザードンを出すと、飛び乗って空へ飛び立ってしまった。



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