携帯獸−Main−
□そろそろYesを聞かせてよ
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オーダイルが地に伏せると悔しそうにボールに戻した。
いたわるようにボールを撫でるとホルダーに直す。
以前のシルバーであったら見られない変化だ。
しかし負けは負けだ。
秘密にしていること‥‥、ヒビキを見ると嬉しそうにバクフーンに抱きついている。
その笑顔に胸が高鳴るのと体温が一気に上昇するのを感じた。
気がすんだのかバクフーンをボールに戻すとシルバーに寄ってくる。
「言ってもらう前に僕の話を聞いて」
「何だ?」
一回目を閉じて決意を固めた藍色の瞳をシルバーに向ける。
心臓は走った後よりも早く駆けてシルバーに聞こえてしまうんじゃないかってくらい鳴っている。
思わず強く手を握り締めた。
「僕は、シルバーが好きだよ」
「っ!」
一気に頬が朱に染まり、動揺したように目が泳ぐ。
シルバーの反応で確信を持ってシルバーの手を握った。
「ねぇシルバー」
そろそろYesを聞かせてよ
答えはひとつだけ!
end