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□君の代わりに、
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慌てた母さんから、聞いた。


シゲルの両親が亡くなった、と。


俺は一目散に家を飛び出した。











「シゲル…!」



シゲルは家のリビングで突っ立っていた。


どうしていいかわからないと言った表情でただ前を見ていた。


涙は流していない。


そのことが余計痛々しかった。



「サトシ…?」



シゲルが感情のこもらない声で俺を呼ぶ。


涙が溢れて伝っていく。


泣きたいのはシゲルの方だろうに。



「どうして泣いているんだい?」



わからない、と首を傾げるシゲル。



「シゲルが泣かないから、俺が泣くんだ」



震える身体でシゲルは抱き締めてきた。




君の代わりに、俺が泣く




君の痛みが少しでも和らぎますように


end
 

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