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□とっくの昔ですが何か?
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「そう言えばグリーンさん」

「なんだ?」


トレーニングついでにやって来たヒビキがグリーンに話しかける。

机に置いてあったコーヒーをグリーンが飲んだ。

ヒビキにはお茶を出した。


「ファーストキスはいつでしたか?」

「ぶおっふぉ!」


盛大にコーヒーを吹き出すグリーン。

何やってんですか、と近くにあったタオルを渡す。


「それ私も聞きたいってコトネ!」


窓から身体を乗り出して叫んだのはコトネだ。


「こ、コトネ!?ここ二階だよ!?」

「飛んでるから問題ないってコトネ!」


よいしょ、と言って窓枠を越える。

勿論靴も脱いでいる。


「で、ファーストキスがいつかって?言った本人から言えよ」

「え!?僕からですか?え〜っとですね‥‥」


グリーンがコトネにお茶を出してやると、ヒビキは懐かしく想いをはせた。


「僕のファーストキスは旅の途中でしたね」




『‥‥次は勝つからな』

『うん、楽しみにしてる!』

『‥‥っ』

『あ、危ない!』




「アクシデントだったんですけど、バトル後に相手の子が躓いて下敷きになってそのまま‥‥」


そう言って頬を赤く染める。


「ヒビキ、ファーストキスはシルバーとだと思ってたけど違うんだな」

「確かに残ー念。私もそう思ってたのに」


二人が言うとえ?と声を出しながら首を傾げるヒビキ。


「僕はじめてはシルバーですよ?」

「じゃあまさかバトル相手って‥‥」

「シルバーですよ」

「きゃー!!」


両手を頬にあて、クネクネと動いて身悶えているコトネ。


「じゃあ次はグリーンさんの番ですよ!」

「俺?俺は‥‥」


すると、先程コトネが入ってきた窓がガラッと開く。


「何の話してるの?」


リザードンに乗ったレッドが同じように窓枠を越える入って来る。


「レッド!?珍しいな山降りてくるなんて」

「うん。まあ色々あって」


そう言うと入ってきた窓枠に目を戻す。


「シルバー。入って来ないの?」


ピョコッと赤髪が覗く。
顔をほのかに赤くさせたシルバーがいた。


「お、お邪魔します‥‥」

「おー、上がれ上がれ」

靴を脱いでシルバーも上がると、二人して座る。

「シルバーが来るなんて珍しいじゃない」


コトネが言うと、俺じゃないと首を振る。


「僕が連れてきたの」

「レッドさんが?」

「グリーン家行こうと思ったら、シルバーがキョロキョロしながら歩いてたから。ヒビキ探してるのかなぁって」

「そ、そんなわけじゃ「しるばあああぁぁ!!」


言い訳も聞かずヒビキがシルバーに抱き付く。


「まぁ二人はほっといて、グリーンさんはどうだったんですか?」


コトネがお茶を啜りながら聞くと、レッドとシルバーにココアを出していたグリーンは恥ずかし気もなく答えた。
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