携帯獸−Main−
□太陽と月の狭間で
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「こんにちはー!」
サトシが大きな声でオオキド研究所のドアを開けるが、いるはずの博士の声も、研究から帰ってきたシゲルの声もしない。
「おっかしいなー?」
「ぴぃかちゅう」
肩に乗っていたピカチュウが耳を揺らした。
「ぴっか!」
何か聞こえたのかピカチュウはサトシの肩から降りて中に入っていった。
「おいピカチュウ!待てよ!」
走っていったピカチュウを追いかけサトシも研究所の中に入った。
*
「ピカチュウー!どこだー?」
廊下を歩きながら呼んでみるが返事がない。
「もしかしてみんなの所かも!」
研究所に仲間達を預けていたからそこにいるかもしれない。
サトシはそう思い、もう一度外に出て庭の方に周るとそこには今まで旅をしてきた仲間達が思い思いに過ごしていた。
ベイリーフがサトシに気がついて突進してくる。
サトシはそれを平気で受け止め笑顔になった。
「ベイリーフ!元気にしてたか?」
「ベイベイv」
嬉しそうにすり寄ってくるベイリーフは返事をする。
他の仲間達も寄ってきて、サトシの周りはポケモンで囲まれた。
「あ、そうだ!みんなピカチュウ知らないか?」
するとみんなは顔を見合わせ一点の方向を指した。
どうやらもう少し奧にいるらしい。
「みんなありがとな!」
礼を言ってからサトシは走り出す。
「ベイ‥‥」
ベイリーフは心配そうに蔦を揺らした。
*