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□アンタがいたから
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カントーとジョウトの間にそびえ立つ極寒の地、シロガネ山。
カントーでもジョウトでも見たことない程の銀世界が視界を占めている。

シルバーは色彩を放つ赤い髪を払うとマフラーに顔を埋めた。

シルバーの赤とは違う赤が白に姿を現す。



「君、誰?」



何処か不思議な印象の彼は振り返ってシルバーを赤い瞳で見る。


間違いない、コイツだ。

三年前彼処で見た伝説。

俺の人生一度壊した人。



「アンタレッドだろ?
俺とバトルしろ」



モンスターボールを突き出すと、途端に赤の少年‥‥レッドは雰囲気を変える。
無表情だった顔に変化が訪れた。



「いいよ。
‥‥始めようか」



彼はモンスターボールを投げた。









雪に水色の肢体が落ちる。それを撫でると、俺はモンスターボールの中に戻した。



「‥‥君似てる」

「?」

「と、思ったけどバトルだけだった」



レッドはシルバーに語り始める。

その表情は何かを思い出すように目を細めていた。



「強くなろうとしてもがいて抗って‥‥それでも足りなくて」

「‥‥何が言いたいんだ?」

「君、名前は?」

「‥‥シルバーだ。
俺は昔アンタに会ったことがある」



奧にいるように言われていたけれど、こっそり見ていたんだ。

いきなり騒がしくなって何がなんだかわからなくて。

その時、アンタを見つけた。

赤い瞳に怒りを宿し、必死に戦うアンタと。
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