守りたいモノ

□第一章:夢
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彼女はベッドに寝ていた。

体を深くベッドに沈ませ、息をしていないのではないかと疑うくらい、静かに寝息をたてていた。
彼女の頬には水の流れた道が一つ。
そんな姿も綺麗に見えてしまう、それ程の美女なのである。
少しウェーブのかかった金髪。
目を開くとどんな宝石のような綺麗な瞳が覗くだろうか。
睫毛は適度に長く、唇は薄くもなく、分厚くもなく、綺麗なピンク色。
四肢のバランスもよく、指先までもが綺麗である。

彼女の名前は



ジュリア=グローリー。



―――

小さい頃の彼女はフランス人形の如く、綺麗で可愛らしかった。

彼女の住むところは"魔界"と呼ばれるところである。

魔界のイメージはなんだろうか?
暗い?
悪?
冷たい?

悪いイメージしかないだろう、と思う。

彼女の住む魔界はそんなイメージは連想しない、空は常に青空、虹がかかっている時もある。
動物というか魔物だって強靱なものもいれば綺麗なものもいる。
彼女はそんな世界に住んでいた。
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