守りたいモノ

□第二章:少しの平和
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―――

彼女は、水に落ちていく気分に陥った。

いくら藻掻いても落ちていくばかり…。
それが気持ち悪くて飛び起きてしまった。

「ッ、ハァ…ハァ…。」

ジュリアは、急に飛び起きたため、心臓がバクバクと激しく脈を打ち、少し息苦しく感じた。
ゆっくりと深呼吸を何度か繰り返し、息を整えた。
気分の悪い夢ではなかったはずなのにも関わらず、なぜ、こんなにも苦しいのだろうか、彼女はそんなことをふと、考えた。
その気分の悪さを振り払うように、首を振ると、ベッドから降りては窓辺に立ち、カーテンを勢いよくシャッと開けると、心地よい朝日を浴びた。
「んーッ。」、と背伸びをすると、"コンコンッ"と、ノック音が静かな部屋に響いた。
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