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□多感なお年頃なもので
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「あ…っ、鉄、く……」

振り乱れた瑠璃色の髪から覗く潤んだ大きな瞳はひどく色気を孕んでいて、男の性をこれ以上ない程煽る。

「沖田さん……」
「はあ、ぁん……っあ」

滑らかな白い肌は今は桃色に染まり、下方の口は骨張った男の指を締め付けている。
中に入った二本の指をバラバラに動かし、焦らすようにわざとイイ所に触れないでいると、快感を求めた細腰が厭らしくゆらゆらと揺れた。

「鉄、く…もっと……ああっ!」

弱い所を突けば、高い嬌声が上がる。
離さないとばかりに指を締め付ける様が厭らしく、何より可愛らしい。
パタパタと沖田自身から零れ落ちる愛液が彼の限界を訴える。
絶頂を迎える直前で指を抜くと、戸惑った瑠璃色の目が鉄之助を映した。

「やっ…鉄く、何で……」
「泣かないでくださいよ、沖田さん」

涙をはらはらと流す姿を美しいと思いながら、優しく指で拭い、慰めるように柔らかな唇にそっと口付けた。

「イくなら俺のでイってください、ね?」

同意を求めるようにそう問えば、恥ずかしそうにコクリと小さく頷く。
抑え切れない愛しさが沸き上がり、ちゅっちゅと顔中に軽い口付けを落しながら、膨張した自身を入り口に当てがった。

「ねぇ……早く…」
「っ沖田さん!」
「ああっ!んあ、ひゃんっ」

あまりにも艶かしい誘いに我慢出来ず、一気に根本まで挿入した。
ぴゅっぴゅと入れた瞬間に沖田がイったのにも関わらず、鉄之助は激しく中を攻める。

「はぁっ、あ、ダメぇ!イったばっか…っああ!やあ、ぁあっ!」
「っク!」

キツく、絡み付いてくる沖田の中に迎えそうになる絶頂を何とか抑えながら、彼のイイ所ばかりを狙った。
吐き出したばかりのはずが沖田自身はまた直ぐに頭を擡げ、鉄之助の手の中に納められる。

「あっああ!また、またイっちゃ…!鉄く……っあ、ああん!」
「いいですよ、ほら…」

手を上下に扱かいながら、沖田の中に自身を激しく打ち付ける。

「ああ!っはぁん、鉄、くん…っああ!っぁ、一緒、に……」
「っ、はい、一緒にイきましょう」
「は、あっ!ゃああっん!」

ガンガンと攻め立てられ、鉄之助の手の中で沖田が果てると、一層キツくなった中に鉄之助自身が続くように白濁を吐き出した。

─────

「……………………」

今朝も、あの夢を見てしまった。

「……………………はあ、」

沖田さんっ、と叫んで飛び起きるとそこは当たり前のように自室で、隣にいるのは雑魚寝しているむさ苦しい男達。
綺麗な綺麗なあの人は勿論いるはずもなく、夢だったのかという失望感と下帯についた自分の精だけが残されていた。
それがここ数日間ずっと続いている。
己の下で喘ぎ乱れる沖田のなんと美しい事か。
思い出せば出すほど、背徳はあるものの体は熱くなる。
早朝のまだ静かな頓所、シャカシャカと下帯を洗う自分にちょっと泣けてきた。

「………………はあ、」
「あれ?鉄くん?」
「っっ!!!!????」

反射的にバッと振り返れば、そこにはいつもの白い着流しを着た沖田がいる。
先程まで散々邪な想像を膨らませていた張本人の登場に鉄之助の心臓はこれ以上ない程、鳴り響いていた。

「おおおおお沖田さんっ!!??」
「おはようございます。随分早いんですね」
「えっ!?あ、はい…まあ……」

夢の中で貴方を犯してて早く起きちゃいました、とはさすがに言えず鉄之助は言葉を濁す。

「は、早く起きて仕事すればその分稽古出来ますから!強くなるためにはな、何て事ないですよっ!」
「鉄くん…!」

キラキラキラキラ。
咄嗟に口をついた嘘に感動で目を潤ませる沖田をとてもじゃないが直視出来ない。
良心が激しく痛む。

「素晴らしいです!もう、小姓さんがこんなに頑張ってるのに土方さんはっ。鉄くんの爪の垢を煎じて飲ませたいくらいです」
「は、はは……」
「土方さんは私が叩き起こして来ますから鉄くんは稽古に行って大丈夫ですよ」
「あ、ありがとうございます……」

どうしようもない罪悪感に苛まれながら、軽やかに副長室へ行く背中を見送る鉄之助であった。



「(沖田さん、ごめんなさい……)」






エロって難しい!

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