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□指先パズル
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さらさら流れるミルクティー色の髪。
長い睫毛に縁取られたぱっちりとした大きな目。

「カイトー?」

白い肌に細い身体。
間延びした独特の喋り方と甘い声。

「どーしたの?もしかしてー目開けて寝てる?」
「バッ!おまっ、近い!」

下から覗き込むように顔を近付けるアナはやっぱ可愛くて、「あはは、起きてたー」って笑う顔にドキドキした。
自分から遠ざかったくせに、離れた距離を残念に思う矛盾した気持ちが胸を占める。
もう既に関心を違うものに向けているアナにもう一度俺を見て欲しくなって、気付いたら名前を呼んだ後だった。

「アナ」
「んー?なぁに?」
「え、あ、いや…あの、その……」

何で呼んだんだよ俺。
また激しく打ち始めた心臓に戸惑いながら、それでもあの大きく澄んだ双眸に俺の姿が映った事を満足している。
自分でもよく分かんねぇこのモヤモヤは一体何なのか、まるで一向に終わりが見えないパズルを解いてるみたいだ。
でも、不思議とあるのは焦りとか苛立ちとかそんなんじゃなくて、もっとあったけぇもの。

「…今日、一緒に帰んねぇ?」
「うん、いいよー」

笑うアナに心臓はまた過剰反応したけど、馬鹿みたいに嬉しくなった俺がいた。
どんなパズルでも必ず解いてやるが、まだこのパズルだけは解けなくてもいい気がする。



「……何でお前らまでいんだよ」
「何でっていつものメンバーじゃない」
「そうだよカイト。僕からは逃げられないからね」
「もたもたしてねぇでさっさと帰るぞ」

二人きりはまだ遠そうだ。






アナ可愛いよアナ(^p^)

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