風に流れる金糸に目を奪われ、ぱっちりとした紅い瞳に射抜かれて俺の心臓は異常なまでの早さで脈打つ。
今日から夏休みに入ったからと若旦那を迎えに来たはずなのに、その目的をほっぽり出してでも今すぐここから逃げてしまいたい。
それなのに、まるで地面とくっついてしまったんではないかと錯覚するほど両の足は一寸も動いてはくれない。
「(さっきまで手綱をひいていたのに何で何で…!!)」
困惑する頭の中。
それでも視界の真ん中には、飴色の髪をした少女と見紛うような彼の人。
馬に跨がっている間は何でもなかったはずなのに、おかしいくらい身体が熱い。
「(今日は暑いから、きっとそう!)」
清八?と怪訝に俺を呼ぶ若旦那の声が低いところから聞こえたが、申し訳ありません若旦那。
つられて不思議そうに小首を傾げたあの子の姿しか俺の目には映りません。
麗しき一目惚れ
何度も訪れたはずの学園は、こんなにもきらきらしていただろうか。
清八さんのキャラが掴めない。