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□悩む
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「へーすけくん」
「久々知先輩」
「兵助」

「「「だーい好き」」」



可愛い子に告白をされて浮かれない奴がいるのなら、そいつは最早男ではない。
しかも、タイプは違えど見目麗しい三人の子達から同時に愛の告白なんて一体何の恋愛書物だろうか。
様々な人間がいる忍術学園でもこんな夢のような体験をしたのは後にも先にも俺ぐらいであろう。
常時繕うポーカーフェイスも可愛らしい三人の前では無意味なものだ。
蕩けてしまいそうな甘い笑顔で舌足らずに俺を呼ぶ年上の後輩、滅多に見せない笑顔は儚げでまるで異国の人形を思わせるような一つ下の後輩、ツンと外方は向いてはいるも赤い顔を隠しきれていない同学年の天才。
何でこいつらこんな可愛いの?
皆まとめて俺がおいしく頂いていいの?
いやいや、いいに決まってる。
だって可愛いしエロいしうまそうだし俺の事好きって言ってたし。
という事で、好いた者同士がする事といったら一つしかないだろ。

「4P豆腐プレ…」
「「「ねえ、誰を選ぶ?」」」

まさに天国のような絶景を妄そ…想像していた俺に三人の愛らしい声が重なる。
は?と思わず聞き返した俺に無情に差し出されたのは究極の選択。

「誰か一人を選んで?へーすけくん」
「久々知先輩は私を選んでくれますよね?」
「私を選ばないと許さないからな兵助」

俺を取り合っていがみ合わないでくれ皆で仲良く豆腐プレイしよう。
何て言える雰囲気ではない。
桃色の唇から紡いだ言葉とは裏腹に目に殺気が満ち溢れている。

─断ったらハゲ散らかすかんな
─断ったら生き埋めにすんぞ
─断ったら速攻殺す

「え、いや…あのぉ……」
「ねえ、へーすけくん」
「さあ、久々知先輩」
「ほら、兵助」

「「「誰を選ぶ?」」」





「なあ、勘ちゃん……俺は一体どうすればいいと思う!!??」
「豆腐に顔突っ込んで窒息死すればいいと思う」

まだ夜も明けぬ内に人を叩き起こしてくれやがった同室者に毒を吐いて、今聞かされた兵助の夢の話を三人にチクってやろうと勘右ヱ門は思った。






勘ちゃんは黒い。
へーすけは変態。


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