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□誓う
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素顔より抜粋妄想
※鉢屋女体化
※捏造主従関係


教室の窓から、競合区域で各々の得意武器を披露する六年の先輩達を見て竹谷は一つ溜息をついた。

「大変だよな…六年生って…」
「何?ハチ、いきなりどうしたの?」

傍で本を読んでいた雷蔵が竹谷の呟きに気づき、そう問えば、あれを見てみろと言うように窓の外を指差す。
素直に竹谷が示す方を見れば、物陰から色々な城のスカウトマンの姿があった。

「ああ、就職活動か」
「俺らも来年はああしなきゃなんないんだぜ。就職出来っかなあ…」
「皆良い所に就こうと必死だからね。でも学園と友好関係にある城って結構あるし大丈夫じゃない?」

あっけらかんと何とも大雑把な考えを述べる雷蔵に、そんなんでいいのかと竹谷が呆れを含めた視線を送る。
これが優秀と名高い双忍の片割れの余裕なのかと思うと悲しくなってきた。

「何だよ雷蔵、随分余裕じゃんか」
「え?そう?普通だよ」
「もうちょっと考えるもんだろ普通は。まさか…もう就職先決まってるとか!?」
「そんな訳ないだろ」

疑いの眼差しを躱し、雷蔵がきっぱりと言い切る。
「だよなあ…」と窓枠にうなだれる竹谷を一瞥して、頭に思い描いた人物に雷蔵はくすりと笑った。
きっと彼女は、これから先も自分を従者として傍に置くことはないのだろう。
彼女の言う"とも"は友であり、供ではない。

「何笑ってんだ?」
「んー?綺麗なお姫様がいるところに仕えたいなあって」
「あれ、雷蔵ってそういうキャラだったっけ?」
「男なんて皆そういうもんだよ」
「まさか雷蔵からそんな台詞を聞くとは思わなかった…」

ま、あの方にしか仕える気はないけど。
その言葉を飲み込んで、段々と近づいてくる慣れた気配に顔を綻ばせた。



『一緒にいこう』

絶望と孤独の中で見た一筋の光はあまりにも眩しくて、美しかった。






雷蔵が三郎を救った説の方が多い中、あえて逆でいく。

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