Triangle
□ドキドキドキが止まらないの
2ページ/5ページ
―昨日神崎君に告白された
「俺にしなよ。綾香。」
「神崎君、あたし…まだ…」
「吉岡君が好きでもいい。」
「え?」
「俺だけを見てなんて言わない。吉岡君の代わりでもいいんだ。だから、俺と…」
「そんなの、神崎君に失礼だよ。」
「俺はいいんだ。吉岡君の代わりということで俺を必要としてくれるだろ?」
その瞬間、あたしは孝宏と神崎君を天秤にかけていたのかもしれない
どちらと一緒にいる方があたしにとって幸せなのだろう
彼女がいて絶対に手が届かない、長年の片想いの相手孝宏
優しくていつもあたしのことを気にかけてくれて、あたしのことを好きだと言ってくれる神崎君
あたしにとって一緒にいて幸せなのは……
「いいの?あたし、絶対に孝宏の代わりとして神崎君のこと見ちゃうよ。」
「いいよ。」
「そんなあたしを、神崎君の彼女にしてくれるの?」
「もちろん。」
こうしてあたしは神崎君の彼女になった
最低な天秤に2人をかけた結果だ
.