リレー小説(その三)

□Knight×Laurentia!
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Side アル






ルーズベルトさんの話を聞いていた。

はっきりいって、僕には少し難しい話だったけれど、少しでも、あの人たちのことを知りたくて、一生懸命聞いた。

でも、結局理解できたのは。



―― 彼らが背負う、宿命。



僕らでは、到底背負うことが出来ないであろう、おもいおもい、何か。

そんなものを背負って、生きている彼らは。

きっと、苦しいだろうに。

辛いだろうに。

それなのに、まっすぐ生きている。

僕は純粋に、ソレを尊敬していたし、それ以上に、強く祈っていた。



―― どうか。



幸せになって。

これ以上。苦しまないで。

そう願うのに。









ヒトラー様に残された時間が多くないと、ルーズベルトさんは言った。



―― 期限切れ。




それは、つまり。

「このまま、償うことが出来なかったら、ヒトラー様は……」

僕の言葉の先を読み取って、ルーズベルトさんは小さく頷いた。

魔力が減っている理由。

ヒトラー様の顔色が悪かった理由。

そして、こちらは憶測でしかないけれど、フィアはきっとその話を、ヒトラー様から聞いたんじゃないかな。

フィアは、人並み以上に"死"とか、"命"とかって言葉に敏感だから。

ヒトラー様が背負う宿命と、彼を待ち受ける運命を聞いて、泣いたんだろう。






「……償いの、方法は、わからないと、前に言っていましたよね」

僕が尋ねれば、二人が頷く。

そうだ。

だから、困っているんだよ。

ヒトラー様は、器用だから、方法がわかっていることならば、きっととっくに解決している。

方法が見つからないから。

だから、今こうして。

最大の壁に、ぶつかっている。

「……そんなに」

「え……」

「そんなにも、重い罪なんですね……」

僕は、思ったことを素直につぶやいた。

驚いた顔をする、ルーズベルトさんと東条さん。

僕は、彼らを見て、いった。



「だって、ヒトラー様は今までに何度も僕らのことを、助けてくれた。

 何度も何度も、力になってくれた。きっと、たくさんの人を救った。
 
 それなのに……」



それでも償いきれぬ罪。

彼だけの罪じゃなくて、ほかの人の罪まで背負っているという、ヒトラー様。

"期間"がどの程度のものなのか、僕はよく知らないけれど。

そんな短期間で、簡単に償えるものじゃないんだとしたら。

一人で、すべてを背負うのは、不可能だろう。




 
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