リレー小説(その五)

□Knight×Laurentia!
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side フィア








ヒトラー様と東条様が来たことには気づいてた。

というか、ヒトラー様が止めてるのに気づいて俺はルカを虐めるのをやめた。

俺はこれでも、“上官”の言うことは聞く主義だ。


……あくまで"上官と認識している人間"の言うことは、だが。



だが、スターリンは聞いちゃいない。



―― あ、エスカレートしてる。



ちょっと、さすがにとめてやるべきかな、と、思うのと同時にヒトラー様がスターリンの足を踏んだ。

……うん、痛そうだ。

先で踏まれるのは、ちょっと可哀想かもしれない。

まぁ、見てるだけなら面白いからいいけど。







尻尾?を切るだの何だのと言われて、スターリンはおとなしくなった。

スターリンの弁解には笑ってしまったが(アイデンティティーだったのか)……

恐るべし、ヒトラー様。

確かに、なんだか雰囲気怖かった。

俺はこの人に逆らわないことにする。

普段温和な人ほど、怒らせると怖いということを再認識した。







「いてぇ……」

涙を目にためて小さく呟くルカ。

ほら、これだから上官だと思えないんだよ。

子供っぽいし、馬鹿だし、割とすぐ泣くし……尊敬できることといったら、剣術の腕くらいなものだ。

「大丈夫か?」

笑いながらいったところ、ルカは呆れたような顔をした。

「心にもないことを……マジで後で見てろよ」

「あはは……」

ごめんってば。

ちょっとさすがにかわいそうになったんだって。

だから一応謝ったのに。

「東条も東条だよ……もっと早くにとめて欲しかった。あいつも巻き添えだな」

あーあ。

ルカ怒らせるとこれだから嫌だ。

職権乱用というんだぞ、それは。






……と、ヒトラー様の質問に俺もルカも止まった。



―― スターリンは、確かに謎だらけだ。



身長……はともかく、年も知らないな。

というか……

本名って、何?






 
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