リレー小説(その二)

□Knight×Laurentia!
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Side フィア





ほっとした。

本当は少し、怖かった。

この人たちは強い。それを突破した上で、三人を助けに行くのは無理だと、正直覚悟していた。

この命を落としても、突破しなくては。そう思っていたけれど。

ルーズベルトは、とめなかった。

それどころか、契約すら提示してくれた。




―― 守ろう。それを。



もし、もしも。

万が一、俺たちが彼らを救うことが出来ず、手遅れになってしまったら……



―― そのときは、この手で。



すべてを終わりにしよう。

身勝手かもしれないけれど、俺はそうしたかった。

あの口ぶりから、ヒトラー様とここにいる三人は知り合いなんだろう。

たぶん、俺たちなんかより、ずっとずっと関係は深いはず。

だけど。

万が一、彼らを救うことが出来なかったら、それはきっと"俺たちの罪"。

ヒトラー様たちが背負う、"オリジナルの罪"同様に、それは俺たちが背負っていかなくてはいけない。

そうならないためにも、俺たちは今を精一杯に生きるんだ。

精一杯に、彼らを迎えにいく。





クビツェクが目を覚まして、放った言葉はあまりに衝撃的で。

でも、その瞳が語る。

すべてが真実だと。




―― あぁ、彼は。



俺たちなんかより、ずっとずっと強く痛みを感じてる。

それなのに、彼はまっすぐ、未来を見据えてる。

強い。

強い人だ。

俺も、見習わなくては。




「行こう」




手遅れになる前に。

俺たちは、ドアを開いた。


もう、繰り返さない。

もう、失わない。



 
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