リレー小説(その三)

□Knight×Laurentia!
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Side シスト





急に攻め込んできた敵と火竜。

驚く暇もなく、緊急体制。

警戒レベルは最高位の7(セブン)。

すべての騎士が戦闘に参加しても、収まらない火竜の勢い。

その現況を打たないと駄目だとわかっていても、誰一人それにたどり着けないという状況が続いていた。





俺も、戦っていた。

だけど、やっぱり身体能力には限界が合って、

俺はもともと、ほかの仲間に比べたら力もないし、魔力もずば抜けて強いわけでもない。

あげくに、壊滅な事がひとつ。


―― 俺、視力が悪いんだ。


仕事中はメガネかけたりしてるんだけど、こういう戦闘任務のときは、はずしてるし、

あの状況じゃ、かけようにもかけられない。

もっとも、普段はそんなに長時間集中しないから、魔力で補ったりできるんだけど、

これだけ長期戦になると、さすがに無理だ。

そんなわけで、距離感がつかめないままに戦っていたら、案の定。

切り裂かれた右腕。

痛みを通り越して、驚きで、腕の感覚がないというのが正解だった。

まぁ、いまになりゃ、痛いんだけど。

でも、ピーピーいってたところでどうしようもない。

俺は、ルカが探していた彼の従弟をさがすべく、戦場と化した城の中を歩き回っていた。



そこで、アルを見つけた。



びっくりした、というのが正解かもしれない。

アルが、ここまで一生懸命に戦っている姿は、初めてみたから。




―― やれば、できるんじゃん。



いつも、フィアと一緒にいて、フィアから離れようとしなくて、

"フィアをいじめないで!"とかっていうくせに、自分のほうがよっぽど泣き虫でさ。

剣術も、魔術も苦手だって言って苦笑してた。

それなのに、こんなにも必死に戦ってる。

チアーノだかって言う元ファッショの騎士を守りながら、必死に戦ってる。






きづいてないだろ、おまえ自身では。




―― アル、お前の魔力、すごい弱くなってる。



だから、俺なんかの治療してる暇は、ないんだよ。

そういってやれば、アルは俺の腕を軽く治療して、下がった。

シュペーアは、俺たちの周りに障壁を張る。

ヒトラー様は、悪魔としての力を完全解放する。

まったく。

この騎士団は、どいつもこいつも……


―― 底なしの、お人よしばっかりだな。



 
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