リレー小説(その三)

□Knight×Laurentia!
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Side フィア





部屋に来たヒトラー様とヘスの姿を見て、俺とルカは完全にフリーズした。

シュペーアはなれているからなのか、なんなのか。
いたって普通にやり取りをしているのが、俺たちにとっては不思議でしょうがない。




―― なんというか……




どこから突っ込んでいいのか、わからない。

まだルカのへたくそな魔術の所為でかすんでいる視界でもとらえられる、二人の姿。




―― これは、幻影ではないのだよな……?




思わず自分の目と耳を疑いたくなった。

というか、「あーちゃん」って……

アドルフから取っているんだろうけれど…彼のことを、そんな風に呼ぶ人間がいるとは。

暫く、リアクションすることができなかった。






―― もっとも……






こんなことをいってしまうのは、非常に失礼なのはわかっているのだが……

ヘスのいうことにも、確かに一理ある。

むさくるしい男の女装というのは、見ていてこの上なく気分の悪いものなのだが、

ヒトラー様の場合、それがそれで似合っているのだ。

色が白く、確かに肌だって綺麗だ。

しかも、髪だって綺麗だし、瞳も綺麗な青色。

ここまで女性の格好が似合うとは、なんというかもう、尊敬に値する。



……ちょっと、本のちょっとだけ。




女として、悲しくなるくらいに。

なんていうこと、くちにだすのははばかられるので、黙っているが。






それにしても、楽しそうだ。

いや、ヒトラー様は迷惑極まりない、という顔をしているのだけれど、

ヘスが、とんでもなく楽しそうだ。

挙句の果てに、ここに来た理由は"可愛いあーちゃんを見せたかったから"だそうで。




―― 色々な意味で、心配になるんだが。




十人十色とは、よく言ったものだ。

夜鷲のチームは、その傾向がどうにも強いようだ。



 
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